それでも、希望は、中小企業…なんだってば!

伝統的工芸品展WAZA2008というイベントに行ってきました。

ぼくは繰り返し、就職に難渋している人びとでも中小企業なら職を得られるという主張に与してきましたが、どうも旗色が悪いようです。いろいろと反論があることは折り込み済みだったのですが、そうではなく、単純にぼくの主張そのものが信憑性に欠ける、ということらしい。
また、赤木さん自身からも中小企業に希望を見出すことには疑念が出されている。ぼくはそことも対峙しなければならず、それには自説の説得力を高める必要があります。その点からみると、今までは「○○さんがそう書いてた」というレベルで話を進めていて、裏を取る作業が十分だったとは言い難いです。やはり現場に身を置く人たちに直接話を聞いてみたいし、そこで労働力が求められている事が確認できれば、自信を持って自説の主張ができます。
伝統工芸を担うのは多くが中小零細企業だったり、会社組織ですらない家内工業だったりします。取材対象としてはピッタリですし、ぼく自身が最近そういった物に興味を持ってるんですよね。

というわけで、着きました池袋東武百貨店。何十ものブースに、全国から伝統工芸の製作品と、それを作る職人さんや説明員さんなどが集まってきています。どこから回るか迷いますが、とりあえず目に付いたところにいる説明員さんに訊いてみました。

「…すみません、伝統的工芸に興味があるんですが、その担い手は募集していますか?」
「…あー、ちょっと分からないですねえ」
「例えば、ぼくくらいの年代の人間が、弟子入りを希望してやってきたとしたら…」
「さあ…どうですかねえ…」


反応が鈍い。職人さんじゃないからかな? 別のところで訊いてみましょう。


「(商品を見ながら)うわー、綺麗ですねー」
「ありがとうございます」
「こういうものに興味があるんですが、弟子入りとかって可能ですか?」
「…うーん、まあ、そうねえ…」


返答が芳しくありません。でもめげずに、他のところに行ってみます。


「伝統的工芸に興味がありまして…」
「はい」
「たとえば、弟子入りするとすれば…」
「…」


やっぱり反応が…。思い切って訊いてみましょう。


「…弟子入り志願の人って、あまりいないんですか?」
「いないねー、あまりお金にならないからねー」


お金にならない!


自分が見落としていた点を、ズバリ指摘されてしまいました。赤木さんは「とにかく金をくれ!」という主張をされているので、これでは説得することが不可能。
つまり、当初の取材意図が突き崩されたってことです。思惑見事に外れる。

でも。

じゃあ「この仕事はお金にならない」とキッパリ言った職人さんは、なんでこの仕事を続けてるの? という疑問が沸いてくるわけ。でもおそらく自信をもってこうお答えになるでしょう。

「好きだから」
「この仕事に誇りを持っているから」

赤木さんの持論として、年長世代を十把ひとからげに既得権者と定義して批判するというものがあります。でももし、こういった職人さんまでもが批判の対象となるのだったら、


誤爆だろ。


と思います。「お金じゃない」というところでそもそもやってきた人を敵に回すのは、何か間違っていると思う。

ともかく。ぶっちゃけたお話をしてくれた職人さんにはお礼を言って立ち去らねば。と思ったそのとき。


「ま、興味あったら来て見てよ」


…脈あり?お金にならない!

自分が見落としていた点を、ズバリ指摘されてしまいました。赤木さんは「とにかく金をくれ!」という主張をされているので、これでは説得することが不可能。
つまり、当初の取材意図が突き崩されたってことです。思惑見事に外れる。

でも。

じゃあ「この仕事はお金にならない」とキッパリ言った職人さんは、なんでこの仕事を続けてるの? という疑問が沸いてくるわけ。でもおそらく自信をもってこうお答えになるでしょう。

「好きだから」
「この仕事に誇りを持っているから」

赤木さんの持論として、年長世代を十把ひとからげに既得権者と定義して批判するというものがあります。でももし、こういった職人さんまでもが批判の対象となるのだったら、

誤爆だろ。

と思います。「お金じゃない」というところでそもそもやってきた人を敵に回すのは、何か間違っていると思う。

ともかく。ぶっちゃけたお話をしてくれた職人さんにはお礼を言って立ち去らねば。と思ったそのとき。

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…脈あり?

よく考えたら、ぼくの相手は赤木さんだけじゃない。「お金じゃない、打ち込める仕事が欲しいんだ」という考えの人もいるだろうし、そういった人たちにお金云々の話はともかく、「貴方を受け入れてくれる仕事があるぞ!」と呼びかけることはできる。むしろこっちのほうが有効な成果かもしれない、と思いました*1

*1:ま、だらしない格好で行ったので、向こうも冷やかしだと思ったのはあるでしょう。ビシッと背広着て直接的に「働かせてください!」とやればもっと良かったかも。